第121話
ただ、やたらと記憶に残っているのは赤ん坊の声と犬の鳴き声、それに真っ暗な教会の扉、どこまでも降りていく階段と滴り落ちる真っ赤な血。
そう、血がぼたぼたと地面に落ちたのは覚えてる。
そう、私の腕からながれ落ちた気がする……でも次の日に自分の手を見てみたけど、傷なんてなかった。
だから何かの思い過ごしか、間違いだろうと思っていたのになぜか強烈にイメージが頭にこびりついている。
次の日学校に行くと私は委員長を呼び出した。
「今日の放課後にクラスのみんなで少し話さない?」
「いいけど、何を話すの?」
「あの2人を生贄にすること」
委員長の表情が一瞬こわばる。
「だから、あの2人を除いたクラス全員に、今日は詰まる事を回しといて」
「わかった」
「あの2人に知れちゃったら、逆に殺されちゃうかもよ」
私が笑みをたたえて言うと、委員長はそれに返すことはなく、自分の席へ戻っていった。
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