第120話
証拠隠滅なんて手の込んだことを私たちに完璧にできるとは思っていなかったから不思議だ。
現場からは翔のスマホも発見されていない。
今時の高校生、スマホも所持していないということ、警察は不思議に思わなかったのだろうか?
百音と奏のスマホはなくなっていたし、何か関連性を考えなかったんだろうか?
ベッドに座って考えていると、蛍光灯がチカチカと点滅した。
ギャーギャーと、また赤ん坊の声。
頭の中に黒い口を開けた教会の扉が浮かぶ。
どこまでも続く階段を私が降りていく。
あそこで私と石井くんは呪いをかけたんだ。
蛍光灯の点滅が激しくなる。
何だこれ、買い換えないとダメかな、面倒くさい。
あれ、点滅が止んだ……
「もうなんだよ、まったく」
とりあえず、風呂でも入ろうかな。
それにしてもあの時のことは断片的に頭に浮かんでくる。
元々あの時の具体的な記憶が私には乏しい。
湯船に浸かりながら、もう一度一番最初に呪いをかけたことを思い出してみようとした。
しかし細かいことを具体的なことはどうしても思い出せなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます