第109話
翔が死んだことがニュースになったのは1週間後だった。
倉庫を管理している管理会社が週に1度様子を見に来た時に発見された。
ニュースでは自殺と発表された。
そしてまた遺体が大型の獣に食い荒らされたような跡……
私にはこれが何なのかさっぱりわからなかった。
これも呪いの中の一つなんだろうか?
まあいい。
死体を食い荒らすようなのがいたからって私に何か支障があるわけじゃない。
どんどん呪いを活用して前に進むだけだ。
翔の死が自殺と断定されてクラスメートほっと胸を撫で下ろす姿が想像できる。
みんな、もし自殺に見せかけて殺したことが警察にわかったら大変なことになると不安がっていた。
この数日は呪いより警察の方がクラスメートにとってはリアルな恐怖だった訳だ。
そこから三日程して楓の死が伝えられた。
これで主犯2人が死んだことになる。
死因はショック死ということで詳しいことはわからないということだった。
そのときのクラスメート全員に広がった安堵の空気は露骨だった。
誰一人悲しむものはなく、中には安心から笑みを浮かべてる者もいる。
私も大声で笑った。
さすがにあからさますぎてクラス中が引いたけど。
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