第107話

「て…てめえら……地獄で待ってるからな」



「はいはい♪やれ!」




私の号令で鉄骨にかけられた縄が引かれると、翔がつり仕上げられた。



もがき苦しみながら手足をじたばたさせる翔の影が倉庫の床に映る。



そして動かなくなり、石井くんと同じよう首をだらんと伸ばした肉の塊になった



その様子を言葉を発することもなく、呆然と見上げて固まるクラスメートたち。




「石井くん、これで喜んでくれたかな?」


「私たちのこと許してくれたかな?」



みんなの口から出てきた言葉には翔に対する哀れみも同情もなかった。



これで全員が人殺しの罪を等しく背負うことになったんだ。



吊るされた鐘を見上げるクラスメートの顔を、私は一人一人見た。



「さあ、みんな解散解散さっさと帰ろう」



帰る前に翔の足下にさっきまで座っていたイスを転がす。



翔はこれを踏み台にして首を吊ったことにする。



みんながバラけて帰る中、私は武藤さんと西出さん、そして徳井くんと田村くんに声をかけた。

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