第100話
翌日になり佑真と結奈が翔を誘い出した。
誰もいない、閉鎖された、集荷センターの倉庫に、私達は夜の10時に集まった。
翔には11時というまが伝えてある。
あと1時間。
埃を被った機械が放置された中で、私達はこれからやる事を全員で再確認した。
30分前になると佑真と結奈を残し、みんな物陰に隠れる。
外からは時折表の通りを走る車の音が聞こえる、遠くから犬が吠える声も。
赤ん坊の泣き声は止むことなく聞こえてくる。
石井君が自殺した夜のことを思い出した。
翔が騒ぎ出した時、近くを通った人に声が聞こえないかどうか、それが心配だった。
やがて倉庫の入口に人影が現れた。
「翔」
佑真が声をかける
「なんだよ、こんな時間に俺に話したいことって何だ?」
翔は、いつものにやけた顔を封印して厳しい目つきを佑真と結奈に向けていた。
「この前は悪かったなって思ってさ」
「百音と奏が死んだから、ちょっと感情的になってたかも……」
「ああ、それなら俺もそうだ、いいんだよ」
翔の顔にいつものにやけが戻る。
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