第97話

しかし、画面の中に石井君の姿はない。



「石井くん、聞こえてますか?ここにいますか?」



委員長が叫ぶとテレビ画面に文字が現れた。



「ここにいる」



全員が凍りついたように固まる。



「質問を続けろ!」



黙ってしまった委員長に私が叫ぶ。



委員長は頷くと質問を再開した。



「石井くん、あなたは私たちみんなを怒っていますか?」



画面に文字は現れない。



「お願いです、私達を許してください本当にごめんなさい」



しかし、画面には何も映らない。



ただざわざわとした話し声が聞こえるだけだ。



「石井くん、あなたは命が欲しいですか?」



私が質問すると、画面にはYESという文字が映った。



「最も欲しい命は府川楓、額賀翔の2人の命ですね?」



またYESの文字が映る。



さらに文字が映された。



「早くよこせ」



「私達石井君に協力して、あの2人をこの手で裁きます!」



「早くしろ」という文字が映る。



「裁いたら私達を許してくれますか!?」



委員長が悲痛な声で聞いた。

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