第96話
翌日の放課後、登校してきたクラスメート全員が教室に集まった。
今日は翔は登校してこなかった。
不幸中の幸いか、楓に切りつけられた他の生徒は軽い怪我だったので、全員登校してきていた。
昨日、私たちの話し合いを誰かから聞いたのか、その子達もしっかり残っていた。
委員長と特に仲のいい2人、あわせて3人が教室の真ん中に並べた二つの机に囲むように座る。
「石井くん、石井くん……聞こえていますか?もし聞こえていたら、あの日のようにテレビに現れてください……私たちの質問に答えてください」
委員長たちが互いに手を握り合い、石井君に呼びかける。
私たち全員その周りに立ち、石井くんがテレビに現れるよう念じた。
その中には佑真と結奈の姿も当然ある。
ジジ……
テレビにノイズが走る。
来た……!!
クラスメートが動揺する中、私は怒鳴った。
「騒ぐな!!続けろ!!」
全員が心に念じていることを一心不乱に口に出した。
バチバチッ!!
真っ黒い画面に稲妻のような光が細く走ると、テレビからは何か聞き取れない、大勢の話声が聞こえだした。
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