第95話

もう正常な思考で判断できるような状況ではなかった。



さっきの楓の凶行はそれほどのインパクトがあったんだ。




「じゃあ、明日の放課後、石井君に直接聞いてみよう」



「石井君にどうやって?」



「みんなでまたテレビに石井くんが映るようにお願いするの。そして聞いてみるのよ。誰の命を一番欲しがってるか」



反対の声は聞こえなかった。



「もし石井君が2人の命を欲しがったら、府川楓と額賀翔は私達の手で裁くことに賛成の人は手を挙げて」



全員が手を挙げた。



それはまるで、底なし沼から助けてくれと手を伸ばすように見えた。



「決まりね♪」



いよいよメインイベントだ!!



私は自分の心が踊るのを感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る