第94話
「どうしたらいいの?」
「殺られる前に殺るんだよ」
「やるって……一体何を?」
「あんたら石井くんに呪われて死にたいのかよ?」
「……そんなことないけど」
「だからって額賀君をどうしようっていうの?」
「石井君はあいつの命を欲しがってる。それぐらい自分たちで考えろよ」
クラスメートの中からは私を非難するような意見も飛び出した。
「黙って聞け!!」
私は楓のように怒鳴る。
静かになったのを確認してから話を再開した。
「呪いから助かる確率を高めるには、私たちが石井君の呪いに協力するしかない……そのためにあいつを、石井君が最も憎んでいるであろうあいつを私たちの手で裁くんだ」
「それで本当に助かるの?」
「さあね、でも何もせずに次は自分の番かもしれないとビクビク怯えて暮らすより、石井君に許してもらえると思うことをする方が意味があるんじゃない?」
そこまで言うと誰も反論する者はいなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます