ふいにバッグをかざすと｢これなんなの？｣と翔に問いただす。

｢はぁ？｣

翔が首を傾げると、楓が、バックを逆さまにした。

ドサドサっと落ちてきたのはたくさんの人型だった。

｢うわぁ！！｣

｢きゃー！！｣

クラスメートが怯えて立ち上がる。

当然だ、あのおぞましい動画の締めくくりに流れた人型なんだから。

｢昨日、私の家のポストに突っ込まれてた、誰だよ誰だよこれ作って入れたやつ！？｣

楓は恐ろしい形相で教室中を睨みつける。

｢府川！どうしたんだ！？｣

先生が声をかけても楓は反応しない。

｢なぁ、後で話を聞くからまず落ち着けよ｣

翔が後ろから宥めるように声をかけると、楓は振り向きざまにいきなりカッターナイフで切りつけた。

｢うわっ！！｣

とっさにガードした、翔の腕がぱっくり切れる

ブッシュー！と血が吹き出した。

｢くあ……！！いって……なっ、何すんだてめぇ！！｣

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