第86話

「許してもらうって……謝罪すればいいのか?」



「謝ったら許してもらえるの?」



「そんなわけないじゃん、謝って許されるようなことだと思ってる?今までやってきたこと。調子のいいこと言わないでよ」



「ごめんなさい。でも他にどうしようもなくて……どうしたらいいの私?謝るくらいしかできないよ……」



結奈が泣きそうな顔をしている。



「石井くんに反抗しないことだよ」



「反抗しない?どういうことだよ?」



佑真が尋ねる。



「どういう順番で殺されるのか私にはわからないけど、自分の番になる前にそれなりの姿勢を示しておけば、もしかしたら許してもらえるかもしれないね」



「な、なんでもするから!助かるんだったら何でもする」



「ああ、ほんとだ、具体的にどうしたらいいか教えてくれよ」



「まずはもう関わらないことだね。あの2人と」



「ああ、そりゃあそーだ、っていうか、俺たちもうあいつらとは関わる気ないんだ」



「うん、私もない、酷すぎるよあの人達」



よくもまぁいけしゃあしゃあと言えるものだ。

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