第81話
辺りは騒然となり、私達もただ茫然と見ているしかなかった。
「これも、もしかして呪い?」
震えながら、西部さんが聞く。
「ええ。たぶん」
道路に広がる血だまりを見て答えた。
鼻先まで血の臭いが漂ってくる。
呼吸をしているとまるで肺にまで染みこむようだ。
週末を挟んで次の週学校へ行くとまた新しい被害者が出ていた。
マスクをした桑原先生が教室に入ってくる。
かなり咳が酷い。
「先生、風邪ですか?」
「ああ」
苦しそうに咳きこんでから先生が私たちにある報告をした。
今度は生活指導の先生が亡くなった。
なんでも休日に釣りに行った時、船が転覆して乗り合わせていた人全員死んだらしい。
威張り散らした、頭にくるやつだったからいい気味だと私は思った。
考えてみれば、私の石井くんと呪いをかけてからかなりの人数が死んでいる。
でも、そのことで心が痛むようなことはなかった。
災害のようなものなのだ。割り切るしかないだろ。
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