第71話

家に帰る、メイクをする。



これが私なのか、本当に私なんだろうかそう思うほど今までの自分とは別人のように見えた。



ちょっと楓に似てるかも……



そう、私はヘアスタイルを選ぶときメイクをしている時も頭の中に楓が浮かんでいた。



私は楓に恐怖を覚える反面、憧れも抱いていた。



外見まるでモデルのような美貌、そして物怖じしない自己中心的な性格。



周りのものを従える雰囲気。



全て私にないものだった。そう思っていた。



で、いざこうしてヘアスタイルを変え、メイクをしてみれば少なくとも外見は私も楓には劣らないのではないか?そう思えた。



今度は私の番だ。私が思うがままに好き勝手に周りを支配して楽しむ番だ。



そう考えたら、ワクワクして叫びだしそうな気分に駆られた。



「うわぁ―――!!!……アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」



叫んでから楽しくなって笑ってしまった。



幸い学校に、次に行くまでの時間はたっぷりある。



新しい私に必要なものふさわしいものを考えて揃えよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る