第67話

「こいつら盾にすりゃあいいんだよ!!ビビってんじゃねえ!!」



楓の発言に佑真も結奈も完全に引いていた。



「ねえ、楓、ちょっとおかしいよ……落ち着いてよ……百音を早く下ろしてあげようよ」



結奈の言葉に楓が無表情になった。


思い通りに進まないのでブチ切れたようだ。



「あんた、私に逆らうのかよ?」



「逆らうって……私ら友達じゃん……」



「翔……みんなも……あれ見ろよ」



楓と結奈のやり取りを遮るように佑真が奏の死体を指さす。



「人型……」


「人型だ……」



奏が作り出した血の池のせいでわかり辛いが、遺体の首から百音のように紐で結かれた血みどろの人型が首にかかっていた。



「奏のところにも人型が届けられた……?まさか石井の奴が?」



佑真が頭を抱えてしゃがみこむ。



「人型が届いたから死んだの!?呪いだよ……完全に呪いじゃん!!」



結奈は取り乱したように翔と楓に言う。



「翔!!」



「ああ。佑真、結奈。呪いなんてねえよ。そのクソみたいなアイテムを作って百音と奏を殺したクソサイコパスが校舎にいるんだよ。そいつは幽霊なんかじゃねえ。俺らでも殺せる人間だ」



楓の呼びかけに応えるように翔が二人を諭すように話したときだった。



「お……お……ま」



声が聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る