第66話

「待ってよ楓!」



「ん?なに?」



「百音だよ!あのままにしておくの!?」



結奈が木にぶら下がっている百音の死体を指さす。



「そんなことより犯人でしょ!!今、この中にいるんだよ!!あんた百音と奏の敵討ちたくないのかよ!?」



「そんなことって……酷いよ……」



「俺らが犯人捕まえたら百音だって喜ぶんだよ。行くぞ」



翔が言うと佑真が待ったをかけた。



「待てよ……マジで校舎に入るのかよ……?」



「ああ。それがどうした?」



「百音や奏が殺されたとすると、この中に殺人犯がいるってことだろう?」



「だから?」



「どんな奴か、どんな凶器も持ってるかわからない奴を捕まえるとか無理だろ!?だいたい俺らだって殺されたらどうすんだよ!?犯人が複数いたらやべぇよ!!」



なんて馬鹿な奴等だ……


ごちゃごちゃ揉めてる暇があるなら警察に電話しろよと思った。



「この臆病者があッ!!」



楓がいきなり怒鳴って奏の腹を蹴った。



「ぐうっ!!」と、呻いて奏がうずくまる。



「そのためにこいつらがいるんだろうが!!」



私たちを指さす。

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