第65話
「奏!!奏だよ!!」
「ああ……これは奏だ」
楓が指さして翔に言う。
翔はかすれたような声で返した。
さっきの破裂したような音の正体は奏だったのだ。
頭が半分割れて、辺りを血の海にした奏が横たわっている。
死体はぐちゃぐちゃで酷い有様だ。
「どういうことなの!?なんなのいったい!?」
結奈がついにしゃくりあげた。
「こ、これって、もしかして上からか!?上から落ちてきたのか!?」
佑真が校舎の上を見上げる。
「誰かに落とされた……!?」
楓の言葉に全員が校舎の上の方に目を凝らした。
しかし人影らしきものはない。
夜の闇に鈍く浮かび上がる校舎は黙って私たちを見下ろすだけだった。
「いる!きっと校舎の中にいる!!」
「だ、誰がだよ?」
「寝惚けてんの!?犯人だよ!!奏を上から突き落として、百音を殺して木の皮を剥いでクソみたいな人型をあんなにぶら下げたイカれたサイコ野郎がまだ校舎の中にいるっていってんだよ!!」
完全に怖気づいている佑真に楓が切れ気味に言う。
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