第64話

後ろの方でもの凄い腫れる音がして全員振り返る。



「今度はなに!?」


「もうやばくねーか!?」


「うるさい!!黙れ!!」



混乱する結奈と佑真を楓が一喝した。



翔が目を凝らして音の下方向を見ている。



「なにかある……」



翔の言うように、私たちがさっきまでいた校舎の前になにか

黒い物が見えた。


高さはない……



「あれ人じゃない?」


「ほんとだ……そう見える」



武藤くるみと徳井が言う。



「行くぞ……」



翔が先頭に歩き出す。


続いて楓。


その後ろに結奈と佑真、わたしたちいじめられ組が続く。



近付くにつれて黒い物がなんなのかはっきりと見えてきた。



「ひゃあっ!!」


「うわあっ!!ひ、人だ!!」


「いやああああ――!!」



全員がなにかしら悲鳴を上げた。



私も言葉にならないような声をあげて地べたに座り込んだ。

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