第61話

「のこのこやってきたところを捕まえるわけ」



「ふふふ、捕まえたら机の代わりにそいつの皮剥いでやる」



楓の残虐な笑みを見て私と他の4人は震え上がった。



私にとっては呪いなんかより楓の方が恐ろしい。



でもそれもだんだん克服しつつあることを感じていた。



呪いにより、楓の怯えを感じるからだ。



私も楓も変わらない、そう思えるまで時間はかからないと感じる。




夜の学校の裏門から入った私たちは、そのまま敷地をつき中庭が見える場所まで来た。



月明かりに照らされて、石井君の首をつった気が闇の中に浮かび上がっている。



「この辺で待つか」



「そうね、相手から見えないところにいないと」



私達は校舎の陰に身を隠すと昨日周辺に気を配った。



ここから木までは20メートルほどか。



風に流された雲が月を覆い隠す。



いきなりとても暗くなったような気がした。




「なにこれ、ほとんど見えないじゃん」



「こんな暗いの」



楓と結奈が話した時だった。



真っ暗闇の中に不意に強い風の吹きブオーンという聞き慣れない音がした。

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