第60話
ついに夜になり、私達は待ち合わせ時間ぴったりに学校に着いた。
「クエメンもみんな来てんじゃん、感心感心」
「奏のやつが来てないな」
「ああ。LINEも既読にならねー」
「電話は?」
「留守電。繋がらねー」
楓たちの会話が耳に入った。
奏と連絡が取れないらしい。
しばらく待っていたが奏が現れるような気配はなかった。
「そのうち来るだろ。行くぞ」
翔はそう言うと、みんなに裏門から入るように指示した。
裏門の方が、住宅街がそばで、道も細く人通りが少ないからだ。
今日の夜は風が強く、学校の敷地に植えられている気が風に揺れてざわざわと音を立てている。
「私ら今日の夕方帰る前に確認したんだよ」
「そうなの、楓?」
「うん、翔と2人でね」
「そん時どうだった」
「木は昨日のまんまだ皮が剥がれている場所も昨日と同じだ」
「きっと私らの分の人型も作るために皮を剥ぎに来るよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます