第59話

夢の中ですら人間扱いされない。



きっと石井くんもそうだったのかもしれない。



私のように生きている限り、心が安らぐような場所も時間もない。




そんなことを考えながら、夕方の街を歩いた。



コンビニで買ってきた弁当を食べ終わると、自分の部屋でベッドに横になった。



楓たちとの集合時間には間がある。



スマホを開くと、自分の学校に関する事件のことを見てみた。



松下の交通事故の記事がある。



これによると、運転手もガードレールに激突して死んだとか。


運転手は関係ないのに死んでいる。



これは私と石井くんのかけた呪いなのかな?


ふと小さな疑問を感じた。




なんだかうとうと眠くなってきた。



少しだけ寝ようかな?



天井の蛍光灯がチカチカと点滅する。


アラームをセットしようとした時、スマホの画面が急に消えた



何だこれ、最悪……


仕方がないので、再起動を試みた。



真っ黒い画面を見ていると、深夜の中庭で扉の開いた教会を思い出した。



あの真っ暗な扉の中が真っ黒い画面に被る。



地面に滴る血……そんな光景が浮かんできた。



なんだこれ?眠い……

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