第57話
「松下は亡くなった。即死だったらしい」
今度は水を打ったように教室中が静まり返った。
誰もが青白い顔をして口をつぐみ、目を見開いている。
誰も言葉を発しない。
「お通夜と告別式の日取りが決まったら、またみんなに知らせる、みんなが動揺する気持ちはわかるが松下の冥福を今は祈ろう」
これは偶然だろうか、それとも必然だろうか。
呪いの力なのだろうか?
今の段階ではっきりしたことはわからない。
だけど、私は本当に笑いたくて仕方がなかった。
だから、ホームルームが終わった後にトイレに駆け込み、人がいないことを確認してから個室の中で笑った。
学校でこんなに笑ったのは初めてだ。
あまりにもおかしくて腹筋は痛くなるし、涙が出てくる。
涙が出るたびに、さっきの教室の風景を思い出した。
クラスメートの青白く恐怖に引きつった顔。
それはあの、楓達も例外ではなかった。
私は……私はずっとそういう表情で生きてきたんだよ!
おまえたちは私たちがどんな思いで日々を過ごしているか考えもしなかっただろう?
でも、これからはおまえたちが私のように青白い顔をして肩を狭くして目立たないように、びくびくしながら生きるんだ!!
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