若宮早苗6

第47話

楓が中庭に行こうと言い出した。



翔もそれに賛成したので、私達を引き連れ中庭に行った。



「ほらね、思った通りだよ」



石井くんが首を吊った木を見ながら、楓が言う。



「どういうことだよ」



「傷見てみなほら」



楓が指差したところは、木の皮が剥がれていた。



「この剥がれた跡、新しくない?」



「言われてみたらそうだな、つい最近って感じだ」



「わざわざ石井が首つった木から作ったってことかよ?」



佑真も皮が剥がれたあとをしげしげと見ながら言う。



「悪趣味すぎなんだけど……」



結奈は木に近寄ろうとすらしなかった。



不意に楓が笑い出した。



「もしかして、これ作ったやつは本当に私らのこと呪いたいのかもね、マジうけるわ」



楓のやつは、人型が木で作られてることから石井くんが首を吊った木を連想したわけか……



よくもそこまで頭が回るものだ。

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