「百音！！」

「だれか助けてあげて！！」

カラスの群れは黒い塊となって百音を鋭いくちばしで攻撃する。

「い！痛い！！たす…助けて！！」

「おい！助けるぞ！！おまえらも手伝え！！」

翔はブレザーを脱いで手に持つと佑真と奏だけでなく、いじめられ組の徳井と田村にも命令した。

その場にいた男子全員がブレザーを手に持ち振り回して百音に集るカラスを叩く。

しかしカラスは狂ったように百音をついばむのを止めない。

翔がなんとか百音に自分のブレザーを頭からかぶせる。

「早く中に入れて！！走れ！！」

楓が叫ぶと男子は百音を囲むようにしながら校舎の中へ走りこんだ。

私たちも楓を先頭に駆け込む。

カラスたちは黒い羽根を撒き散らしながら逃げる私たちにもそのくちばしを向けた。

「扉を閉めろ！！」

全員が校舎に駆け込むと百音を抱えて一番先頭にいた翔が叫ぶ。

徳井と田村が屋上の扉を閉めた。

ドン！！ドン！！

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