第42話

「どうしたんだよ?」



奏が両肩に手を添える。



「ベッドの横にこれが落ちていたの!!」



百音が、スカートのポケットから取り出したもの、それは動画の最後に出てきた人型だった。



ガアー!!


カラスが鳴くと、全員フェンスの方を見た。



「なにあれ!?」



「なんであんなたくさんカラスがいるの?」



「さっきからずっと増えてる」



楓が視線をカラスからそらさずに結奈と百音に答える。



私も見ていたが、カラスは一羽また一羽と徐々に増えていった。



みんなが気が付いた頃には十五六羽のカラスがフェンスに止まっている。



それは異様な光景だった。



バサバサ!!



フェンスに止まっていたカラスが一斉に羽ばたくと楓たちの方へ、ほとんど水平に飛んできた。



「あぶねえ!!」



「伏せろ!!」



全員が身を屈めるとカラスの群れはその上を飛びすぎて一番後ろにいた百音に襲い掛かった。



「ぎゃあああ―――!!」

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