第24話

急ぎ、学校の中庭に行くと改修工事中の教会の前に立つと扉に手をかけて開けようとする。



「あれ、開かない?」



扉がビクともしない、頑丈に施錠されている。



「そんな……昨日は、扉が開いていたのに」



風もないのに突然教会の扉が開いたことは覚えている。



石井君は私を導くように、そこから中へ入った。



あれから誰かが鍵をかけたんだろうか?



誰が?



もしかしてもう出勤してきている先生がいて、開いているのに気がついて鍵を閉めたのだろうか?



ああいう事件があったのだから、先生が学校を見廻るのはあり得ないことじゃない。



でも、学校に来たとき誰かがいるような気配はなかった。



校舎の中も電気が点いている部屋は外から見た限りではなかった。



それは職員室も同じだ。




念のため教会の周りを見て、裏側にあるドアも確認したが鍵は閉められていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る