第18話
「誰にも言わないでほしいんだ。あいつらに俺が死んだことを知らしめたい。そして俺があいつらのオモチャでもペットでもなく、思い通りにならない人間だということを思い知らせたい……」
「うん」
その後、しばらく無言で歩いた。
「どうして私にそんな大事なこと打ち明けてくれたの?」
「好きだから」
「ええ……どうして」
どうして私なんかを?と思った。
私たちはたしかにいじめられている仲間だ。
でも、同時にお互いをいじめている相手でもあるのだ。
「若宮さんは抵抗してくれた……俺をいじめるのを拒否してくれた」
「そんなの最初のうちだけだよ……」
最初は抵抗した。
しかし、その報いは連日のいじめとミッションだった。
誰も助けてはくれない。
私の心は死んだ。
善悪を考えることを放棄して、ひたすら淡々とあいつらのおもちゃとして動いた。
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