第12話

「ふざけんじゃねえよ!!なに勝手に死んでんだよ!!」



「ひい!!」「痛い!!」「すみません…!」



「死んでどうしたかったわけ!?ああ!?」



西部美里の髪を掴むと、地面に押し付けた。



「ごめんなさい!ごめんなさい!」



美里が泣きながら許しを請う。



「なんでおまえが謝るんだよ!?ムカつくわ――!!」



力を込めて美里の顔を押し付けて手を離すと、今度は横で正座していた田村昇の髪を掴んで地面に押し付けた。



美少女の部類に入る楓が凄まじい形相で汚らしい言葉を発している。



この女は一度キレると止まらない。



一緒につるんでいる結奈や百音、佑真に奏も顔を強張らせて見ているしかできない。




しかし、楓のこの苛立ちぐあいは、もしかして石井君の死によるものだろうか?



だとしたら効果はあったのだ。




「ムカつくんだよ!!ふざけやがって!!勝手に死んだら死ぬとこ見れねーだろうが!!人が死ぬとことか超レアなのによー!!死ぬなら私ら呼んで目の前でやれよ!!」



言いながら私の顔面を蹴り飛ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る