第11話
知らない人が見たら、いじめをしているのは私たちになる。
他のクラスメートもなにかしら私たちをいじめていた。
そうしないと次のクエメンに選ばれる確率が高いからだ。
私たちには「ポイント」が課せられていて、100ポイントに達するといじめから解放される。
一人抜けるとクラスの中から最もポイントが低い人が新しいクエメンになる。
だからみんな必死だった。
「わかってると思うけど、もし遺書とか出てきても知らないって言えよ。それは嘘だって」
鈴木奏が言う。
「もしなんか言ったらあんたらが石井をいじめてる動画拡散するから。ついでにミッション動画もね」
百音が口にしたミッションという言葉を聞いたときに私たち全員が固まった。
こいつらは私たちに気が向いたときに「ミッション」をさせる。
頭のいいこいつらは本当にヤバいようなことはさせない。
私たちが自尊心を保てるギリギリのところを攻めてくる。
でも、もしかしたらそれ以上のことがあるかもしれない……そう思わせることが先生や親にいじめを告発する抑止力になっている。
私たちが男女三人づつというのもこれが理由だ。
「ああ―!もう怠い!!」
楓はイラついたように髪を掻きむしるといきなり声をあげて私たちを蹴りだした。
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