第2話
「ああ……」
どうしよう?これは警察に電話しないと……
ポケットからスマホを取り出して110番しようとしたときに指が止まった。
人が死んだんだから110番しないと……
でも、それでは彼が望んだ効果は得られないかも……ならば通報してはいけない。
異なる考えが頭の中をぐるぐるする。
幸いにもさっきの私の悲鳴が誰かを呼び寄せるようなことはなかったようだ。
学校の中庭は時間が止まっているかと思うくらい静かで、夢の世界のように暗い。
このまま帰っても誰にもわからないかも?
バタンッ!!
「ひい!!」
いきなり後ろで音がしたので声が出た。
振り向くと改装中の教会の扉が開いている。
私が通う高校はミッション系で校内に教会があった。
古くなって改装工事のために立ち入り禁止だけど、私が入学する前とかは授業の一環で使っていたらしい。
その古い教会の扉がいきなり開いた……風?なんで?鍵閉まってるんじゃないの?
暗闇の中で、その扉だけが月明かりに照らされているようだった。
扉の奥は漆黒で、私のことをまるで誘っているかのように感じる。
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