第七話 30階層
現在、ゴーレムの大軍に追われているソラ一行は30階層のボス部屋へとつながる転移ゲートを目指していた。ゴーレムを倒しまくっていたからか気がつくとVからVIへとランクアップを果たし30階層へとつながる転移ゲートに到着する。
転移先はボス部屋らしき扉の前で周囲には壁画らしきものがびっしりと描かれていた。茶色い巨人を囲みまるで拝む様に平伏する白い人々の絵や、巨人に剣を突き立てる黒い人の絵等ストーリー性を感じさせる。
「では失礼して」
扉を開き中へ入るとそこは何やら廃墟と化した街が広がっていた。風化し今にも崩れ落ちそうな建物と草木に覆われた街並みは完全に古代の遺跡を彷彿とさせる。
さらに奥へと進むと広場中央に祭壇が置かれており祭壇の目の前に装飾が施された長剣が刺さっている。
「これは?」
「封緘の剣やな。どうやら抜かないと始まらないみたいやで」
ソラは剣を引き抜く。
すると封緘の剣はチリとなり消え大地が震え始める。祭壇に吸い込まれる様に大地が収束し地面が隆起し始めると巨大な人型へと変貌を遂げた。見た目は完全に土でできた巨人である。
「約束を違えし咎人よ。大地の怒りに震えよ!」
濃密な殺気が空間を支配する。
ソラはいつも通り鑑定の魔術による情報収集を始める。
魂核値 :VI
名前 :ーーー
種族 :
レベル :98/100
攻撃 :1624
魔力 :3541
物防 :8558→42790
魔防 :8559→42795
俊敏 :1856
精神 :62
スキル :【大地ノ化身】
SP.0
スキル【大地ノ化身】
大地と同化し地形を変化させる。物理、魔術防御力が5倍となる。
やはり、階層が上がるにつれ総合ステータス値が上がっている。
思考に耽るソラだが一瞬地面から殺気を感じその場を飛び退くと土でできた針が姿を表す。
続けてソラを狙い第四階梯の土属性魔術【星弾】による巨大な岩石が雨の様に降り注ぐ。
「乱暴な方ですね」
まるで癇癪を起こした子供の様で、全ての攻撃に知性を感じさせない。そこにあるのは純粋な破壊衝動と殺気、そして怒りのみ。故に、相手の動きを予測しやすくソラは降り注ぐ岩石の中を潜り抜け相手の足元へと接近する。
「アクレス流闘剣術【
スパンッと両足を切り落としソラはそのまま古巨土人の首元まで飛び乗る。
「ガイア流闘拳術【覇掌】」
次の瞬間古巨土人の顔面が爆ぜ、首が消し飛んだ。
四大流派の一つガイア流闘拳術による空気を震わすほどの衝撃波を放つ掌底打ち【覇掌】は全てを内側から破壊する極めて危険な闘術である。
しかし瞬きの間に両足、首を再生し何事もなかったかの様に攻撃をし始める。ダメージはあまり与えられていない様だ。
「祭壇が怪しいですね」
先程一緒に取り込まれた祭壇に微力ではあったが古巨土人の魔力を感じた。恐らくそれが弱点だろうとあたりをつけ魔力感知に力を入れる。
そして、ソラは古巨土人の体内から魔力の供給源を割り出し掌に大量の魔力を込め相手の猛攻を掻い潜り胸元中央に接近する。
「ここら辺ですね」
ソラは最大出力の【覇掌】を繰り出し相手の胸元に馬鹿でかい穴を空ける。崩れ散る土と一緒に破壊された祭壇が現れ魔力が空中に溶けていく。同時に黒い石板の様なものがドロップした。
・古代の石板【伝説級】
アビス最上階に存在する黒の君について書かれた石板。どす黒い膨大な魔力が浸透している。
石板にはこう書かれていた。
《深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている》
ニーチェ?と疑問を抱くソラだがとりあえず皆の元に戻ることにした。
石板についてケンさんに聞いたところまたもや開示権限がないと突っぱねられてしまった。考えても仕方がないため収納空間にて保管する。
30階層無事攻略である。
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