第五話 20階層
現在ソラたちは20階層へと来ており目の前にはボス部屋に繋がっているであろう巨大な扉の前で小休止をとっていた。
道中でソラの魂核値がIVからVへと上がりレベルも50後半に差し掛かっている。アル君に関しては魂核値、レベルが既にカンストしておりこれ以上は上がらないためお助け枠としてソラのサポートについてくれている。故に基本戦闘はソラが行っている訳だがケンさん曰く次のボスはかなり強いらしい。
アビスのボスは皆一様に強いわけだがメタルスライムは言わばアビスにとってのチュートリアルみたいなものでアビスの本領は20階層からと言われている。だからなのか扉前にはおびただしい数の人骨が転がっている。
「僕も......たたかう?」
「心配してくれているのですか?大丈夫ですよ。すぐに終わりますから」
そういうとソラは扉を開き中へと入る。
天井から降り注ぐ光と広場の中央に大きな桜の樹が生えていた。そして桜の樹の真下で胡座をかきながら瞑想をする鬼が鎮座している。
ソラは鑑定の魔術を行使した。
魂核値 :V
名前 :ーーー
種族 :
レベル :97/100
攻撃 :10066
魔力 :0
物防 :2645
魔防 :2119
俊敏 :2045
精神 :25
スキル :【阿修羅】
SP.0
するとソラの気配に気がついたのか瞑想をやめ立ち上がった。
「我求むは深淵より最も遠き武の極み。抗いし心と不屈の闘志を抱き、我、
鬼は自身の背丈を超える金棒を担ぎ上げる。
「では、行ってきますね」
ソラはケンさんとアルを後方に下げ鬼の元へ向かう。そしてお互いの間合いへ入った瞬間鬼はソラへと金棒を振り下ろした。
「参る!」
しかし、ソラはその場を動かず星斬りを構えた。
「基本闘術【
次の瞬間相手の金棒が宙を舞っていた。
魔力を纏った星斬りに触れる瞬間一時的に魔力を暴発させて相手の攻撃を弾く技。基本闘術の中で1、2を争う高難易度な闘術である。
「お腹がガラ空きですね」
そんな大きな隙をソラは見逃さない。
「アクレス流闘剣術【
ソラは四大流派の一つアクレス流を使い鬼の土手っ腹に横一閃の血飛沫を上げさせた。
「グハァ!」
本来では致命的なダメージのはずだが鬼は口角を上げ余裕綽々の様相だった。
「天晴也。貴殿の武に敬意を表し我も力を見せよう」
赤黒いオーラが鬼の全身を纏い一本、二本と腕が生えていく。
しかし、ソラは最初の鑑定魔術によりその力については把握していた。
スキル【阿修羅】。
三面六手となり攻撃力が3倍になるという極めて強力なスキルである。これにより防御系統の闘術は封じられ逃げの手に転じざるを得なくなった。
魂核値 :V
名前 :ーーー
種族 :
レベル :97/100
攻撃 :10066→30066
魔力 :0
物防 :2645
魔防 :2119
俊敏 :2045
精神 :25
スキル :【阿修羅】
SP.0
ソラは認識を改める。このダンジョンがいかに危険な場所なのか、ここからがアビスなのだと実感する。
「がんばれ〜!」
後方からアル君の声援が聞こえる。
「良いですよ。そういうのもっと欲しいです」
完全体となり六本の金棒を振り回す鬼の攻撃を躱しつつソラのテンションは上がり続けていた。このまま避け続けても良いとさえ思わせてくれるアル君の声援にソラは名残惜しげにある闘術を発動させる。
「セツゲン流闘剣術秘奥【絶】」
それは気配を完全に絶つ四大流派セツゲン流の秘奥技。一般的な才能では一生を賭けても習得できない超高難易度な闘術と呼ばれている。
次の瞬間鬼の目の前からソラが消えた。そして、視界が反転しゴトっと頭を地面に叩きつけられる。
「天......晴也......」
鬼はそう言い残し、地面に転がる鬼の生首と胴体が桜の木下まで転がりスゥッと溶ける様に土の中へと吸い込まれる。すると広場中央に転移ゲートが現れた。
「では、先にいきましょう」
戦闘時間は僅か5分。
ケンさんとアルはソラの計り知れない戦闘センスに戦慄を覚えるのだった。
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