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一足早いクリスマスムードを満喫して、デザートにこれまた試作品のサツマイモプリンを食べる。こっちは完全に母さんのオリジナルレシピらしく、まだ改善の余地があるようだ。じゅうぶんおいしいのだが。
「クリスマスって楽しいね」
清少納言がそんなことをぼけーっと言う。楽しいね、って。
「そうだ、タビトと清少納言さんはクリスマスプレゼントなにが欲しい?」
「くりすますぷれぜんと……?」
「そう。サンタさんが配ってくれるやつ」
「さんたさん……だれ……?」
父さんよ、清少納言が混乱しているぞ。これこれこういう架空の人がいて、そのひとからもらうていでプレゼントをもらうのだ、と説明した。
「うーん……あ。書物が欲しい。あたしが書いたやつがどういうていで残ってるのか気になる」
「オーケイ、枕草子読み比べセットね。タビトは?」
「いつも通り現金がいい」
「えー!? もっと楽しいものにしようよ! 清少納言さんもいるんだからさあ!」
父さんが訳のわからないことをのたまう。でも確かに現金というのは楽しみが薄いのは分かる。どうしよう。(つづく)
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