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「珠子ちゃんさあ、そういうのって内緒でやるもんじゃないの? クリスマスの予行練習なんて紅白歌合戦のリハーサル見せてもらうようなもんだよ」


「わかっちゃいるんですけど……料理は技術なので試行錯誤しないと」


「試行錯誤するまでもなくコンガリ焼けてるじゃん!!!! こんがりチキンGじゃん!!!!」


 父さんはなにやら文句を言っているが、よく考えたらクリスマスにもチキンを食べるということは今年はクリスマスが2回あると思えばいいのではないか、と父さんに提案してみる。


「アハ体験!!!!」


 いつ時代なんだ。とにかく我が家のクリスマスは2回開催されることになった。母さんがローストチキンを解体し、中に詰めた赤飯を茶碗に盛り付ける。なんで赤飯なのか聞いたら「土井善治先生のレシピに書いてあった」そうだ。

 とにかく異様にめでたい晩ご飯を、わりと早い時間に食べた。とてもおいしかった。マロもほんのちょっと鶏肉をもらえて嬉しそうだ。(つづく)

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