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 やっぱり玄関の鍵が開いている。父さんが新聞をポストまでとりに行ったからだろう。ドアは少し隙間がある。ちょうど猫1匹通れる隙間だ。

 慌てて「マロ!」と声をかけると足元から「ニャーンッ!」と力強い返事があった。


 どうやら雪が面白くて一歩踏み出したものの、冷たくて引っ込めたらしい。どこまでもお猫様なのであった。

 マロも寒かろうと抱っこで家に入る。


「父さん戸締りしっかりして!!」


「えっボクまたなにかやっちゃったの?」


 言っていることがライトノベルの主人公だ。こういう稚気あふれる素直な子供っぽい性格は間違いなく僕にも遺伝している。

 父さんになにか言っても無駄なので、とりあえず朝ごはんを食べる。きょうはチーズたっぷりのドリアだ。うまい。


 清少納言はドリアに感動していた。それからきょう、母さんが僕を迎えに行くついでにホームセンターでスノーダンプを買ってこよう、ということになった。(つづく)

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