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翌朝起きてくると、窓の外が真っ白だった。雪が降ったのだ。うれしいような面倒なような、いろいろな気持ちが去来する。
「わー! すっごい雪ー!!!! ねータビト、雪だるま作ろうよ雪だるま!!!!」
清少納言が爆上げになっていた。いや学校だから。
「平安時代にも雪だるまってあったの?」
「雪だるまっていうか、雪を丸めて遊ぶ遊びはあったよ。たのしいよね」
のどかだ。
「よぉし。そんならゲームの達人宗介さまがうまい雪だるまの作り方を教えてしんぜよう。まず耳の見える髪型にして」
「あつ森の雪だるまじゃなくてリアル雪だるまの話してるんですけどー」
清少納言の切れ味鋭いツッコミである。父さんは、「手が冷たくなるからやだ」と答えた。
「それより宗介さん、そろそろ雪かきの道具出してこないといけないんじゃないですか。確かスノーダンプ壊れたんじゃなかったでしたっけ」
「それもそうか……去年壊れて今年は買わなきゃいけないのかあ。マロきゅんは?」
マロの姿がどこにもない。ぞわりと嫌な予感がして、慌てて玄関に向かった。(つづく)
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