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 その晩はみんなでトマト鍋とシメのトマトリゾットを満喫した。父さんは案の定、皮の赤いウインナーに大興奮していた。幼稚園児か。山田惣菜店の豚肉の唐揚げはとてもおいしくて、安定の味だ。


「トマトってケチャップにする以外にこういう食べ方あるんだ」


「夏には生のトマト食べれるよ」


「え!? 生のトマト!? おいしいの!?」


「おいしいやつはおいしい。ハズレはすっぱい」


「トマトって果物の仲間なん?」


「野菜……だけど、トマトジュースがあるしなあ……」


 僕が悩んでいると父さんが自慢げな顔である。


「ふっふっふ。木になって何年も穫れるのが果物。草みたいなのになって一年こっきりで植えていかなきゃいけないのが野菜」


 父さんよ、それは自慢げな顔で言うことなのか。


「え、そうなん!? てことは瓜は野菜なん!?」


「メロンは野菜だねえ。よし、マロきゅんもおやつにしようね」


「ニャーン!!!!」


 母さんがマロにササミを食べさせ始めた。マロはお利口にテーブルに座ってササミを食べている。

 テレビでは天気予報をやっていた。明日は少なからず雪が降るらしい。(つづく)

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