第82話

今日も見世が開くと昨日の若旦那が来店して、昨日と同じ様な宴席になった。



「どうしたんだい?その髪型?ずいぶん変わってるね」



「変……ですか?」



「いや。似合っていて実に素敵だ」



「うれしい!若旦那が来るかなって思って一生懸命仕上げたんですよ」



「紅若こそうれしいことを言ってくれる」




今日は昨日よりも近い位置に席を設けて飲んだ。



私の脇にはモルが人形のふりをしてちょこんと座っている。



「昨日は久しぶりに楽しかったよ。あんなに楽しいのはいつぶりだろう……そう思ったらおまえに会いたくなってね」



「そうなんですか!じゃあまた楽しく盛り上がりましょう♪」



昨日に続いて「紅若積み」をやることになった。

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