第81話
見世に行くと女将さんから声をかけられた。
「紅若、そういえばあなたの前借金、いくらか決めてなかったわ」
「そうですよね!お由美ちゃんから聞いて、あれ?私そんな話してなかったなって…ハハハ」
「あなたは自分からこの妓楼に来たんだし、いくら欲しい?」
「じゃあ百両で」
私が言うと女将さんが口許に笑みを浮かべて私を見た。
「じゃあ百両分稼いでもらうってことでいいのかい?」
「はい!」
「じゃあもろもろの必要品はあとで仁助に持っていかせるから」
女将さんはそう言うと私の肩あたりに手を添えた。
「励みなさい」
「はい」
これでもう後戻りはできない。
ここからは前に進むだけだ。
それにしても……
女将さんっていい香りするな~……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます