第71話

「ねえ若旦那。私、最近江戸に来たばかりで何も知らないのですが、若旦那のお店はなにをされてるお店ですか?」



「材木問屋だよ」



「ああ、そうなんですね」



『モル。材木問屋ってなに?』



『文字通り、木材を扱うお店だよ。この時代は全部木造家屋だから材木問屋は鉄板だね!』



『なるほどね!つまり景気のいい客ってことだ』



『イエス!』



モルからの情報でなんとなく把握した。




「でもお忙しいでしょうに、私なんかと飲んでいて大丈夫なんですか?」



「ああ。うちには優秀な奉公人が育ているからね。私がやることなんてないよ」



ふうん……これは典型的な苦労知らずのぼんぼんかな?



それからも芸者さんたちの踊りを見ながら、いろいろ聞いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る