若旦那の話
第66話
格子の前に座った女の子が客を呼ぶ。
私やお由美、イネは後ろの方で座ってるだけ。
これは序列だそうで、奥に座っている方が格上なんだとか。
入りたての私を女将さんがこの場所に座るよう指示したのは、私のことを見込んでくれたからかな……?
「ごめんよ」
一人の身形の良い客が入って来た。
上等そうな着物に良い香りを纏ってる。
年の頃は30前後?清潔そうで細身の顔立ちは品の良さを感じさせた。
「これはこれはお客様。初めてでございますね」
玄関の左手にある揚代という精算所に座っていた女将さんがお客の前に手をつく。
「ええ」
そう答えると格子の間にいる私たちを見回した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます