第65話
どういうことかというと、貴人や上流の客は直接妓楼に来るのが憚られる。
そういう人のために揚屋が生まれた。
話を聞くと今で言う料亭の様な感じ。
「私らみたいな下っ端は揚屋には入れないからね」
「そうなんだ……でもここにも宴会できるような部屋があったじゃない?」
「それこそ私ら用よね」
イネが言うとお由美が笑った。
野次馬がひけたところでいよいよ私たちの出番だ。
どんな客が私に目を付けるやら……
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