第54話

「わかりました。出世払いで500文で買わせていただきます」



「そりゃあ高すぎる」



竜さんが絶句した。



「利息です」



「なるほどね……わかりました。紅若さんの意地、しっかりと承りました。出世払い楽しみにしてますよ」



竜さんの笑みを見て私は簪を受け取った。



「この爪……面白い細工だな」



竜さんが私の手に目を止める。



「どこでやったんだい?」



「これは私がやったの」



「へえ……」



息を漏らして私の爪を見てから女将さんの方へ顔を向ける。



「女将さん。この子、意地の貼り方をわかってる。ひょっとしたら化けるかもしれませんね」



「そうでしょう」

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