第52話
どうやら吹雪さんが特注で頼んだ簪を持ってきた。
で、吹雪さんがそれを部屋で見たいということらしい。
さすが花魁だね……
「じゃあみなさん、すいませんが」
竜さんが広げて見せていた簪をしまおうとしたときだった。
「竜さん、せっかくだからこのままにしておいてくださいな。簪の代金は売れたら私が預かっておきますから」
「女将さんがそうおっしゃるなら安心だ。承知しました」
竜さんは「それじゃあ」と女に子たちに挨拶して立ち上がったが、なにか思い出したようにしゃがむと真剣な目で自分が広げた簪を見た。
その中の一つを手に取ると顔の前にかざして見る。
とても真剣な表情なのでみんなが押し黙ってしまった。
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