第51話
「よかったらどうぞ」
「ああ……ごめんなさい。私お金ないんで」
私が答えると竜さんを囲んでいた女の子がどっと笑った。
うわっ……恥ずかしい……
「竜さん、ごめんなさい。この子は今日からここで働くことになったんですよ」
女将さんが助け舟を出してくれた。
「そうだったんですか……これはとんだ失礼を」
竜さんが私に頭を下げる。
「いえ……」
なんか気まずい空気。
すると奥から若い衆が一人でてきて竜さんに声をかけた。
「竜さん、吹雪さんが支度ができたとのことでお願いします」
「ああ、はい。かしこまりました」
周りの子がひそひそと話しているのが聞こえた。
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