第20話

「花魁になりたい?本気だね?」



「は、はい!」



笑顔から発せられる声はどこか緊張を解くような感じがする。



「なら私が仕込んであげよう。まずはみんなが納得する売り上げを上げなさい」



「は、はい……」



「それからもう一つ、後で使いの者をやるからよく言うことを聞くように」



「はい」



なんでだろう?この人と話していると心を持っていかれそうな夢心地になる。



「おいおい、本当にいいのかよ?琴絵」



この人が来てから黙っていた旦那さんがようやく口をきいた。



「ええ。おまえさんも内心は面白そうと思ってるのでしょう?」



「まあ……変な奴ではあるが」



二人の会話から察するにこの琴絵さんは女将さんか!

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