第19話

旦那さんが言うには、花魁っていうのは今で言うトークの他にあっち系のテクはもちろん、教養とか芸事もできないといけないらしい。



「全てにおいて高級な遊女」それが「商品価値」ってことか。



「わかった。まずはこの妓楼の売り上げを爆上げしてあげる!私がね!そうしたら師匠をつけてよ」



バンと畳を叩いて射貫くような目で宣言した。



「面白い子ね」



障子がスッと開いて女の人が現れた。



さっきこの妓楼の前にいた人だ!!



こうして改めて見ると、背が高くて色白な細面、整った顔立ちに睫毛が長くて、その美貌に吸い寄せられるような……


その人が私の前に座った。



「あっ……」



そう。ただ座っただけなのに、その所作の一つ一つが優雅というか……美しい。



それに良い香りが漂ってくる……

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