第6話

たしかに私が泊まっていた旅館は純和風の造りだったけど……



外は森だったし、一番近い町だってこんな古いものじゃなかった。



「誰か―!!」



形容しがたい不安に駆られて大声で叫んだ。


だが、返ってきたのはどこかで鳴いてる鶏の鳴き声。


ってか、空が薄明るくなってきたから朝なんだ!?



「やあ!いらっしゃい!」



ふいに私の後ろで子供のような声がして振り向いた。



「今回は君なんだね!僕はボーダレスのナビゲーター!よろしく!」



……


目をこすって瞬きする。



私の目の前、顔の高さに真っ白いモルモットのぬいぐるみみたいなものがふわふわと浮いていた。



まさかこいつが喋ったの……?



「どうしたのさ?だまっちゃって」



喋った!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る