第7話

「ひいいいいい――!!」



思わず履いていたヒールを脱いで思い切り目の前の変なものを叩いた。



「ぎぇっ!!」



地面にたたきつけられた変なものが二三度バウンドしたのを追うように、さらにヒールで叩こうとした。



「待って待って!!お願い待って!!」



「あんたはなに!?」



「いきなり殴るなんてひどいよー!こんな乱暴な人初めてだよ!」



「聞こえなかった?質問に答えなさいよ」


ヒールを振り上げた。



「は、はい!答えます!僕は三千世界のボーダレスナビゲーターです!」



「三千世界?なにそれ?夢の国?」



だいたいこんなぬいぐるみが喋る世界なんて夢に決まってる。



「無知だなー」


ガスッ!!



「聞かれたことに答える」



「は、はい……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る