第3話

「ハイきた!鯛のお造り二人前お願いしま~す!」



頼んでからお客さんに「ねえ。お初も食べていいでしょう?」と、聞いた。



「あたりまえだろう。おまえの言うことは断れないからな。ハッハッハ」




さっすが!ナイス鴨!



持つべきものは優しくて羽振りの良いお客ね。



散々盛り上がってから夕刻を告げる鐘が鳴った。




これで一日の見世はおしまい。



私は吉原の女郎、紅若。


通称「やらずぶったくりの紅若」。



でもその前は2019年の歌舞伎町で№1キャバ嬢やってた。

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