第17話

夫婦と女の子が付き添うようについてくる。



「若様、どうぞ家にお戻りください」



「もうすぐ御家来衆が参りますから」



「ごけらいしゅう?なにそれ?」



「私の妹が若様が落馬して意識をなくされたと報せに走りました」



「そう……」



「まだ来ないかな?」



女の子が近くの木にするすると登って田畑の向こうを見た。



まるで猿みたいに上手く木に登るな……



「まだみたい。見えないや」



女の子は少し眺めると、ぴょんと飛び降りて夫婦に告げる。




村を歩いていてなんとなく配置がわかってきた。



ここは南に田圃が広がり、東西北の三方は山に囲まれている。



田圃が広がる南側に出ると休憩しているのか、十数人が畦道で座り込みながら茶を飲んでいた。



その向こうでは作業をしている集団がいる。



なんだか時間がゆっくりしているような気になってくるのどかで綺麗な景色。

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